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「菓子もらったの?」

「はい。頂いてもよかったですか?なにも出来なくてお邪魔してしまっただけなのに???」

「もちろん。菓子があったならお茶点ててあげればよかったね」

「そんな???お茶席のお手伝いさせていただけただけで十分です。ありがとうございました」

にこりと微笑むと、ぺこりと頭を下げた。



総二郎は優紀を助手席に乗せると、車を発進させた。

「なにか食べたいものある?」

「あの、実は、あまりお腹が空いてないんです。ごめんなさい」

優紀は申し訳なさそうに総二郎のほうを見た。

「そう。どうしたの?夏バテ?」

「いえ、友達とお昼にランチバイキングに行って食べ過ぎちゃったんです。一緒に言った男の子たちがすごく食べるので、ついつられてちゃって」

と優紀がふふっと思い出しように笑った。


「はい、おもしろかったですよ頭油多。サッカー部のひとだからかな?お肉とかカレーとかばっかり食べててサラダとか食べないんです。運動部の男の子って、すごく食べるんですね」

優紀は感心したように、また思い出して笑っている。

優紀は総二郎の知らない大学生活を過ごしていて、つい先日もチア部に入ったとかで真っ赤に日焼けして稽古に現れたことがあった。

優紀の稽古に身に入らないような姿勢にイラつき、厳しい言葉を投げるとあっさりと茶道を選んだ。

「まだ、チア続けてるの?」

「え?いいえ、やめました。でも、チアのときに知り合ったひとたちが誘ってくれるので、一緒に遊びにいったりはしてますけど」

優紀は総二郎の質問に不思議そうに答えた。

「牧野が、オレが優紀ちゃんにチアを辞めさせたって怒ってたよ」

「え、ほんとですか?ごめんなさい!ちゃんとつくしには話したのに」

「優紀ちゃんの恋愛を邪魔するなとも怒ってたな」

総二郎がおもしろそうに笑うのを、優紀は真っ赤になって手も首も振った。

「ち、ちがいます!恋愛なんて、ありません!つくしはなにか勘違いしてて、もう、やだ、つくしったら???」

優紀はいたたまれないのか、俯いてしまった。

「オレが邪魔したって靜脈曲張手術 、ミサンガの男?」

「だ、だから、ちがいます。つくしが勝手に思い違いしてるだけで、水野君はただの友達なんです。遊びにいったり、ランチしたりするくらいで???もう、つくしったら、本当にもう」